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1-5. それほどまでに、何を願った?

「つまり、お前の心象世界だからこそ、お前の在り様でこの世界は変わるってことだ。」

じゃぁ何がなんでも、思いのまま?

「いや、すべてが思い通りになるとも限らない。」

ええ? なんで??

「常識だとか、自分で自分に課した限界とかコンプレックスとか、
 あらゆる種類のバイアスとか、思い込みとか。
 自己否定に自信の無さ、怠け心……
 それらを捻じ伏せて、ただ『夢を見る』『見続ける』ことが、どれだけ難しいことか。
 『想い』や『願い』の実現はそう簡単なものではないだろう?」

「確かに……」

思い描いたとおりに行動ができていたら。
思考が制御できていたら。
たぶん私は一角の人物になっている。
たぶん、ここは砂漠になってない。

いや、でも……だとすると。
本部長代理の言葉は示唆に富んでないか?

砂漠に生まれたオアシスを、オアシスが広がって生み出した城を見つめる。
私の心境と、変化を望む気持ちが生み出した、風景を。

本部長代理の今の言葉の逆を取るなら、ここはその『想い』や『願い』を実現するための訓練に、とっても最適な場所なんじゃ?

本部長代理がニヤリ、と笑った気がした。雰囲気的に。

「お前はこの世界に来るための、いわば通行証を手に入れた。
 今後、現実世界で夜が訪れて眠りにつくと、
 お前はこの世界にやってくることになる。
 厳密に言うなら、これまでも来ていたが忘れていたし、訪れる世界線に一貫性もなかった。」

「でもこれからは違うの? なんで?」

「お前が、強く願ったからだろう?
 気合と根性で、この世界線へのアクセス権を力づくで分捕ったんだ。」

今度こそ間違いなく、ゲラゲラと本部長代理が笑った。
そして涙?が滲む目で、私の顔を覗き込んだ。

「そうまでして、お前は何を願った?」

私は……

a. 「休みたい……考えたくない……」
b. 「ゲームが作りたい」