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2-1. 南の島へ

「……休みたい……考えたくない……」

ポロリと口をついて出てきた、その言葉。
その言葉に押されるように、涙が出てきた。

こんな疲れてたのか、私……

「そう願えるうちに立ち止まれて、よかったな。」

そうか、よかったのか……これでも。
まだ、よかったのか……

そして私たちの眼の前で、現れたばかりの城がサラサラと砂になって崩れて消えていった。
あとに残ったのは、小さなオアシス。かろうじて水場がくっついている。

「なぁ、休むなら、どんなところで休みたいんだ?」

安全で、気持ちいいところかなぁ。
温かいところのほうが、休める気がするよねぇ。
トロピカルな海? 南の島に高飛び?

すると砂漠の彼方に、水辺が現れた。
目を凝らすと、波が立っているのも見えてきた。
微かに、潮の香り……波音も聞こえるような?

「行ってみるか?」

本部長代理の言葉に、頷く。
海を、見てみたい。
ああ、私はまだ、見知らぬ風景を見たくてワクワクする気持ちが残っていたんだ。
確かに私は、本当にダメになる前に、SOSを出せたらしい。

そうして、海辺に辿り着いた。
おあつらえ向きのデッキチェアに、トロピカルな飲み物も。
フラフラと近付き、そっと座ってみた。

next. 「実際、いいセンスしてるんじゃないか?」