「異世界とはちょっと違うよな。
言っただろう? 心身の有り様が可視化されたのがこの世界だと。」
「じゃぁ、私の心象風景……心象世界?」
「そんなところだろうな。」
はぇ……
今度こそ、中途半端な声は内心に留め、あたりの景色をもう一度見渡す。
なんとも……
過ごしやすく、悪くない感じはするけれど、
砂漠ですか。私の心象世界。
「気に入らないか?」
心を読んだかのように、本部長代理に問われる。
「まぁ……『お前の心の有り様は砂漠だ』と告げられると、なんとも……」
「じゃぁ、イメージしてみればいい。
この風景はどう在ってほしい?」
どう在ってほしいか?
うーん……オアシスが小さいよね……このままじゃ心もとない。
大きな水場があると大きく育ちそう。
それに、どうせなら休める場所がほしいし……
せっかくだから、お城とか?
「ああ、いいんじゃないか?」
そう言って本部長代理が微かに笑う。
指さされた方を見ると、そこには確かに、お城が生えていた。
マジか。